利息制限法は強行法規
債務者が任意に支払った利息制限法の上限を超える利息・損害金は当然に残存元本に充当されるのかという問題について、最高裁判所は『利息制限法の超過利息は、当然に残存元本に充当されるもの』との判断を下しました。
理由については、
- 利息制限法の超過部分は、無効、つまり存在しないのと同じ
- その部分に対する支払いは弁済の効力を生じない
- 債務者が利息・損害金と指定して、任意に支払ったとしても、利息制限法超過部分に対する指定は無意味であり、指定がないのと同一
- 元本が残存するなら、民法491条の適用により元本充当とするのが当然である
- 民法491条1項
- 債務者が一個または数個の債務について元本のほか利息及び費用を支払うべき場合において、弁済をする者がその債務の全部を消滅させるのに足りない給付をしたときは、これを順次に費用、利息及び元本に充当しなければならない。
事件番号 | 昭和35(オ)1151 |
---|---|
事件名 | 貸金請求 |
裁判年月日 | 昭和39年11月18日 |
法廷名 | 最高裁判所大法廷 |
裁判種別 | 判決 |
結果 | 破棄差戻し |
判例集 巻・号・頁 | 第18巻9号1868頁 |
原審裁裁判所名 | 福岡高等裁判所 |
原審事件番号 | - |
原審裁判年月日 | - |
判示事項 | 債務者が任意に支払つた利息制限法所定の制限をこえる利息・損害金は当然に残存元本に充当されるか。 |
裁判要旨 | 債務者が利息制限法所定の制限をこえる金銭消費貸借上の利息、損害金を任意に支払つたときは、右制限をこえる部分は、民法第四九一条により、残存元本に充当されるものと解すべきである。 |
参照法条 | 利息制限法1条 利息制限法2条 利息制限法4条 民法491条 |