借金の返済義務がなくなるまでの自己破産手続きの流れ
自己破産の手続きは、不動産や証券、自動車などの財産の有無や、
弁護士に依頼するのか、自分で手続きを取るのかによっても流れが変わってきます。
ここでは、借金の返済義務がなくなるまでの流れを、下記2つに分けて説明します。
- 破産申立から破産手続きの開始決定まで
- 免責申立から返済の免責が受けられるまで
申し立てから破産手続きの開始決定まで
まずは、申し立てから破産手続きの開始決定までの流れです。
破産の申し立てを行う
まず、本人申立て用の申立書類を地方裁判所にもらいに行き、書類の作成をします。
書類に必要事項をすべて記入し、間違いがないことを確認にしたら書類のコピーをとり、添付書類を添えて書類を地方裁判所に提出します。
これを申立てと言います。コピーは手元に置いておいてください。
裁判所では、記入にミスがないか、添付書類はそろっているか、などを厳しくチェックされます。
自己破産の手続きの中で一番の山場が申立てで書類を受け取ってもらえるかどうかです。
申立書類を受け取ってもらえれば、自己破産手続きのほとんどが終わったようなものです。
もし、書類の不備を指摘されても印鑑を持っていけば、その場で直すこともできます。
印鑑は申立書に押したものと同じものを持って行ってください。
申し立てをする裁判所は、原則、債務者本人の住所・居所(住民票のおいてある所ではなく、実際に住んでいるところ)を管轄する地方裁判所・支部になっています。
破産の審尋
破産の審尋とは、裁判官との面接のことで申し立てから1ヶ月~2ヶ月後に裁判所で行われます。
質問される内容は、破産に至るまでの経緯など申し立てを行うときに提出した書類の内容とほとんど同じです。
裁判所に行くこと、裁判官との面接も初めてのことで、不安もあるかと思いますが、落ち着いて正直に自分の借金や生活状況について話てください。置かれている状況を正直に話せば問題ありません。
裁判官との話は20分ほどでおわり、その数日後に破産手続開始の決定があります。
※東京地方裁判所では、弁護士に依頼している場合、申し立てをしたその日のうちに裁判官と弁護士の面接が行われ、破産手続き開始と同時廃止決定がなされる即日面接手続きが実施されています。
破産手続きの開始決定
破産の審尋によって、申立人が支払い不能の状況である等の破産要件が認められると、破産手続きの開始決定がなされます。
審尋から破産手続きの開始決定までは、およそ1週間~1ヶ月程度です。
この段階では、破産者であると裁判所に認められたというだけで、借金が帳消しになったわけではありません。借金帳消しの為の手続きは、この後も続きます。
この際、財産を持っていない人は、破産管財人が選定されることなく、同時廃止決定となり破産手続きは終了となります。
一方、一定の財産を持っている場合には、管財人事件として破産管財人が選定されます。その後、債権者集会を行い債権確定し、破産財団の換価したものを全債権者に公平に分配して、破産終結決定がなされます。
管財人事件の場合、半年~1年程度の時間を必要とします。
申し立てが棄却されることもある!
申立人が支払い不能の状況でないなど破産要件を満たしていないと判断されると、申し立てが棄却されます。
この場合は、任意整理など、その他の債務整理の手段を検討していく必要があります。
免責を受けるまでの流れ
破産手続き開始決定を受けたら次は免責に向けて手続きを進めていきます。
ここでは免責の申し立てから免責の決定、不許可決定までの流れを説明していきます。
免責の申し立て
債務者本人が自己破産の申し立てを行った場合には免責の申し立ても行ったとみなされ、改めて申し立てをする必要はありませんが、そうでない場合には破産手続きの廃止決定が確定した一ヶ月以内に免責の申し立てをする必要があります。
破産手続きの開始決定は破産状態にあることを裁判所に認めてもらったという状況であり、続いて免責を認めてもらう事ではじめて借金の返済義務がなくなります。
免責の審尋
免責の申し立てから1~3ヶ月くらいたつと裁判所からの呼出があります。
破産の審尋の時と同様に免責の審尋(裁判官との面接)があるのです。
しかし、最近ではこの審尋は省略されることも増えてきています。
この時、免責不許可事由に該当しないと判断されれば免責が認められて借金が帳消しになるのです。
免責の決定、免責の不許可決定
免責の審尋を終え、債権者からの意見なども聞いてから1~2ヶ月で免責の決定、不許可決定がなされます。免責決定の場合、晴れてあなたの借金は帳消しになるのです。
免責が認められなかった場合
当然、借金は残ったままになります。
別の債務整理の手段を取り、解決を図ることになります。